DTPの作業工程と実務上の基礎知識を総合的に学ぶ
15世紀にドイツのグーテンベルグが活版印刷技術を発明したことで、人類に出版という行為がもたらされ、偉大な先達や時の天才たちの知性が書物を通じて広く世に共有されるようになりました。この知の共有こそが人類の発展に貢献し、現代文明の礎となったといえるでしょう。
以来、さまざまな技術進化とともに世界中でさかんにおこなわれてきた出版活動ですが、1980年代にコンピューターテクノロジーと融合したDTP技術の登場により、さらなる進歩を遂げました。
DTPとは「Desktop Publishing(デスクトップ・パブリッシング)」のことで、直訳すれば「机の上の出版」という意味になります。今ではあたりまえのように、紙面のデザイン・レイアウトをパソコン上の作業としておこなっていますが、DTP以前の出版物では一般に「写植」という技術が用いられていました。
編集者やデザイナーは、テキストや写真・イラストなどの材料と、それをまとめて配置するための設計図を別々に用意して、業務用電算写植システムを持つ業者さんに入稿。その後、校正刷りが上がってきて初めて実際の紙面を確認するという工程だったのです。
ですから、アップル社のパソコンMacintoshが実現したWYSIWYG(What You See Is What You Get:見たままが得られる)環境とDTPソフトにより、パソコンの画面上でデザインしたものが、そのまま印刷物として得られるようになったことは、当時としては実に画期的なことだったのです。
さらにそれから30年、ハードウェアとソフトウェアの進化によってDTPの作業環境は飛躍的に向上してきましたが、デザイン・レイアウト段階における基本的な作業工程はDTP黎明期とさほど変わってはいません。すなわち、テキストや写真・イラストなど紙面を構成する材料をデジタルデータとして準備し、それらをDTPソフト上で組み上げていくという作業です。
ワープロソフトで書かれたテキスト(文章)原稿、フォトレタッチソフトで編集・加工された写真原稿、ドローソフトで描かれたイラストや図版の原稿、そしてそれらを1ページごとにまとめていくページレイアウトソフト……。このように、一連のDTP作業では複数のソフトウェアでつくられたデータが混在しており、各工程で適切なフォーマットのもとでやりとりされる必要があります。
アーストのDesignレッスンでは、現在のDTP業界でスタンダードとなっている3つのアプリケーション「Photoshop」「llustrator」「InDesign」を学ぶコースをそれぞれご用意しておりますが、この「DTP総合基礎レッスン」では、これらのアプリケーション間の連携に重点を置いた実践的な作業を実習していただきます。
くわえて、フォントの扱いやカラーマネジメント、デジタル校正、ファイル管理など、出版物の制作の際に必要となってくる基本的な知識についても解説していきます。
レッスン内容
DTP総合基礎レッスン
これからDTPの基礎知識を身に付けて実践に生かしたいという入門者の方を対象に、制作現場の流れを追いながら各段階で最低限必要となる作業を解説していきます。実際に手を動かして各アプリケーションを操作することで、制作物全体の仕組みを把握し、DTP作業への理解を深めていただくことがねらいです。
【第1章】 | 印刷とDTPの基礎知識 |
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【第2章】 | 原稿の準備とファイルフォーマット |
【第3章】 | Photoshopによる写真の補正 |
【第4章】 | llustratorデータの編集・加工 |
【第5章】 | InDesignデータの修正とPDF出力 |
【第6章】 | カラーマネジメントと色校正 |
【第7章】 | データ入稿の手順と注意事項 |
〔所用時間の目安〕 15〜20時間
〔レッスン費用〕 77,550円〜
(全て税込表記)