はじめに
このたびとあるデザイン会社様よりInDesignの動作についてご相談がありました。弊社にて調査した結果その原因だと思われるものが判明しましたので今回はそれについてご紹介したいと思います。
社内にあるInDesignの動作が全体的に不安定なので原因を調べて欲しい
お客様ご申告の症状ですが、具体的な症状としては突然立ち上がらなくなったり使用中に急にアプリ自体が落ちてしまったり、まさに不安定な状態になっているというものでした。
原因
ご相談を受けてから調査を行なった結果、最も疑わしいのが“フォント環境”で、これらはフォントの重複や破損フォントの発生、又は意図しないインストールなどで発生する傾向がある事がわかりました。
更にこれらによる影響はInDesignのアプリに直接影響を与えているものではなく、先ずはmacOSのシステムに作用し、
macOSへの影響→Indesignへのトラブル
と、発展する傾向が強いようです。
対策
フォントが問題という事であれば普通なら問題となるフォントを取り除いたり、重複フォントの解決でも治る可能性はありますが、上記考察結果から思い切った使い方ですが
Adobe製ソフトで使うフォントをmacOSでは認識させないようにする
そのようにする事で、トラブルの発症リスクを少なくできるのではないか?と考えました。
具体的な方法
具体的には下記の方法をとる事で可能となります。
▪️フォントのインストール場所を変更する
HDD直下/ライブラリ/Application Support/Adobe/Fonts
※この階層のFontsフォルダが存在しない場合は作成します
この階層にモリサワフォントなどのサードパーティー製フォントを全て移動します。
ちなみにこれを行うことで、以下のメリットとデメリットがございます。
メリット
・IndesignがmacOSからのフォントトラブルの影響を受けなくなり、安定した動作が見込める
・macOS自体もOSフォントのみの認識になり、OSトラブルの軽減が見込める
・Word、Excelなど、Adobe以外のソフトウェアもOSフォントのみの認識になり、動作改善が見込める
デメリット
・FontBookなどのフォント管理ソフトでフォント管理が出来なくなる
・上記の結果、フォント管理が難しくなる(※後述)
・次のOSアップグレード後など、この方法が継続的に使えるかは分からない
まとめ
上記方法をとる場合、新たなサードパーティ製フォント管理ソフトが必要になるわけですが、それらは以下の条件を満たす必要があります。
別階層に置いたフォントフォルダを管理対象に出来る機能があること
つまり、OS9時代ののATM Deluxeに相当するソフトという事になります。
これについては有償のものや無償のものなど色々と出てはいるようですが、そのリポートについてはまた別の機会にご報告しようと思います。