「EPUB」(イーパブ)は、IDPF(International Digital Publishing Forum:国際電子出版フォーラム)が策定した電子書籍の公開ファイルフォーマットです。2007年に最初の公式規格が登場し、2010年にバージョン2へとアップ。さらに2011年に正式採用されたEPUB 3.0で、縦書きやルビも含んだ日本語組版に対応したことで、日本国内でも多くの電子書籍が出版されるようになりました。
株式会社インプレスの調査によれば、2017年度の電子書籍の市場規模は約2241億円で、前年度比13.4%増。2011年度の629億円から6年間で3.5倍以上となっており、今後もさらなる拡大傾向が見込まれるとのことです注。
.スマホやタブレット、または専用端末で手軽に読める電子書籍は、読者であるユーザーにとっての便利さはもちろんですが、実は、書き手にとってこそ革命的なメリットをもたらしたと言えるでしょう。つまり、個人でも気軽に世界に向けた出版ができるようになったのです。
ただの情報発信ということならブログやSNSなどのWEBでも十分ですが、電子書籍なら「Amazon」「楽天kobo」「Google Play」「iBooks Store」といった販売サイトを通じて、ロイヤリティ(印税)を得ることが可能です。
これは単にお金の問題ではないでしょう。自分が書いたものを欲しいと思って積極的に購入してくれる読者の存在を実感できるのは、出版という形態ならではの喜びです。
昔から、「誰しも自分の人生をテーマにした1冊の本が書けるものだ」とよく言われますが、デジタル技術によりさまざまな環境が整った現代こそ、この言葉に重みが感じられますね。
作家を夢見ながら志半ばで断念していった前時代の人たちから見たら、今ほど羨ましい時代はないのかもしれません。
注株式会社インプレス 2018年7月24日付 ニュースリリース
https://www.co.jp/newsrelease/2018/07/20180724-01.html